働き方

SESって何?契約形態や嫌われる理由など、IT業界の闇を暴露

IT業界で働いていれば一度は聞いたことがあるでしょう。
しかし、どんなサービスで、具体的に会社と会社がどのような契約をしているのか分かる人は少ないと思います。

そして、SESは転職口コミサイトやネット検索で割と毛嫌いされているように「SES やめとけ」「SES ブラック」などネガティブな検索ワードがたくさんヒットします。

実際に僕も新卒からフリーランスとして独立するまで、この「SES契約」をしていました。
正直SESについて僕も良いように思っていないので、今回はそれらSESとは何か、形態や毛嫌いされる理由など、IT業界で仕事を初めて7年目の現役エンジニアがSESの闇を暴露していきます。

SESとは

SESは「システム・エンジニアリング・サービス」といい、ITエンジニアの労働力をお客様に提供する契約形態のことです。
具体的にいうと、お客様のシステム開発やインフラ環境構築・運用を行う為にエンジニアの技術を提供するサービスのことを指します。

自社に請負の案件がある場合や、自社開発しているシステムがあれば自社内で仕事をすることも多々ありますが、中小のIT企業であれば、ほとんどが客先へ常駐して仕事をします。

IT業界も建築業界と同様に、大手のIT会社が大きなプロジェクトを受注します。
しかし、エンジニアが足りないので、派遣やSES契約で外部発注せざるおえません。

受注した会社は、既に人が足りないのでさらに外部発注しかない…ということが現状です。
このような下請け構造は、ITエンジニアとクライアントの間には何社も経由している、というケースも少なくありません。
そして、ITエンジニアはプロジェクトが終わると他のプロジェクトへ参画、というように日々派遣の繰り返しなのです。

SESメインの会社の契約形態

SES契約を結んだ場合、業務を進めるにあたっての指揮命令は客先(受け入れ側)が行うのではなく、自社側(サービスを提供する側)が行わなければなりません。これは、準委任契約と同じですので、SES契約は準委任契約と同じ意味を持ちます。

このようにSES契約でも指揮命令がクライアント側になる場合は、「違反行為」となります。
しかし、ぶっちゃけ指揮命令をしているのは「客先(受け入れ側)」がしていることが現状です。客先のリーダーの指示によって作業分担や作業の命令があります。
正直、このように指揮命令系統を守っている企業はほとんどないと思います。

過去に私はSESにて10社以上のプロジェクトに参画し、大手SIerのN社やI社など参画したことがありますがそれら全部で指揮命令を守っているプロジェクトなんて1つもありませんでした。

SES契約と派遣契約の違いは?

SES契約と派遣契約の違いは、指揮命令権がどこにあるかです。
先ほどのようにSES契約の場合は、指揮命令権が自社側にないといけません。
一方、派遣の場合は客先側に指揮命令権があります。

おそらく、客先自体がSESと派遣の違いに気付いていない可能性が高いです。
また、派遣には一般派遣と特定派遣があります。
一般派遣は派遣登録をしている労働者を客先側に派遣する形態(登録型派遣)です。
また特定派遣とは、社員として採用してる労働者を客先側に派遣する形態(常用型派遣)をさします。

SESは、特定派遣を行う企業に多いと思います。

SES契約と請負契約の違いは?

SES契約と請負契約の違いは、客先と自社が何を担保とするかです。
SES契約は、決められた期間業務をすることを約束します。イメージとしてはアルバイトです。
コンビニのように「レジ打ち、清掃、品出し」など労働力を時間で販売します。

一方、請負契約の場合は、決められた期間で成果物を提出することを約束しています。
こちらはご飯やさんなどと同じです。求められている品物をその時間で仕上げて納めることになります。

SESの場合は、ぶっちゃけ成果物が完成しなくても契約上問題ないですが、請負契約の場合は成果物を完成させなければなりません。

なぜSESは「違反」「やめとけ」と言われるのか?

転職口コミサイトやネット検索で割と毛嫌いされているように「SES やめとけ」「SES ブラック」などネガティブな検索ワードがたくさんヒットします。

これはなぜでしょうか?

指揮命令権の所存がめちゃくちゃだから

SESが嫌われる理由は、先ほども述べた通り指揮命令系統がめちゃくちゃだからです。
実際に分からりづらい部分も多いですし、そもそも現場には客先のリーダーと自社からは自分だけということが多いため、作業を割り振る上でも「直接言いたい」「直接言ったほうが早い」となります。

本来であれば自社の責任者経由でその会社のメンバーにトップダウンされるべきですが、現実には無理ですしそんなことをしている会社なんてないです!笑

なのでSES契約を結んでいても、実際は業務の指示を出すのがクライアント側である事があります。これは立派な違反行為となります。

どんな会社も二重派遣の違反行為をしている

SESは、派遣契約とSES契約どちらを結んでも働き方は”同じ”ように見えます。

IT業界も建築業界と同様に大きいゼネコンのような会社から商流があります。
この企業に様々な企業からエンジニアが募集され、プロジェクトを進めていきます。

その際に、客先と自社が派遣契約を結んだ場合は、自社を通して別会社の社員を派遣したりします。
これをBP活用と言います。しかし、二重派遣となり”違法行為”です。

でもこれは良くあります。
ひ孫受けと言うやつですねー私がかつて所属していた中小企業もこのようなことをしていました。
しかも会社グループでw

しかし、指揮命令がクライアント側からだったとしても、クライアントとベンダーがSES契約を結んでいる場合は書面上「違反行為」とはならないのです。

しかし問題は、SES契約を結んでも指揮命令が客先からある場合は、派遣契約と同じですので、実態は違法行為となるのです。
このように書面上と実態が異なることから嫌われています。

違反なのになぜなくならないの?

割と契約違反が起こりやすい状況なのにも関わらず、このように”SES”がなくならないのかと言うと、IT業界の構造的にSESはクライアント企業や発注元企業にとって、とてもメリットのあるビジネスモデルだからです。

常にエンジニア不足

IT業界は、急速に成長している為、常に人手不足の状態です。
その為、クライアント企業は必要な時に必要なスキルやノウハウを持ったエンジニアを採用し雇用する事が難しいのです。
また基本的に開発やそれ以降の試験やドキュメント作成などは”単純作業”なのでわざわざ自分たちがやらなくても良いよね?と発注側の企業は考えます。

必要な時にエンジニアに手伝ってもらえれば、常に人件費を抱えなくて良いため雇用面でかなりの利点があるのです。
このように完成後は一部のエンジニアがいれば事足りてしまいますので、正社員として無期限で雇用し続ける必要が無いメリットがあります。

このような発注側の都合から、必要な時に必要な技術を持ったエンジニアの技術力を一定期間だけ借りることができるSESはクライアントにとってメリットが多いのです。

ベンダー側のメリット

SES事業自体は、ITエンジニアがいれば始められるビジネスです。
基本的に案件があって、そこに自社のメンバーを常駐させることができれば毎月その報酬が入ります。
人件費はそこから賄えば良いので、基本的に自社に待機させなければ黒字になります。

裏を返せば、SIerやSESで経験を積んだエンジニアが自身で起業するのにもってこいのビジネスモデルです。
実際に私も会社員を辞め、起業したの時はこのSESで独立しました。
客先常駐することで、そのクライアント企業のキーマンとつながることができ、信頼を築くことで独立する際に巻き込むこともできたりします。

また時間の管理がしやすいことも挙げられます。
客先業務の時間が主に勤怠となるため、給与計算が非常に楽です。

エンジニアがSESで働くメリット

SESは企業にとってメリットが高いことがわかりました。ではエンジニアとしてはどうなのでしょうか?

様々な経験が積める

SESで働く一番のメリットは、エンジニアとして様々なプロジェクトを経験でき、技術に触れる事が出来ることです。
1つのシステムを売りに、開発している企業に就職するわけではないので、同じ仕事をし続けることは基本的にありません。

任期や契約が終了すれば、新しいプロジェクトに異動となるため、様々な環境で経験を積むことができます。

また、ある程度経験を持つと転職する上でも同じようなSES会社であれば簡単に入れたりします。
もちろん流行りの言語や需要の高いスキルは必要ですので、ニッチな分野の開発はなるべく避けるようにしましょう!!VB6とか・・・

エンジニアがSESで働くデメリット

SESで働くデメリットは…正直いっぱいあります。
これは「会社員として」エンジニアが働くデメリットがほとんどです!!

正直、私はこれらの理由でフリーランスになりました。

帰属意識が薄れがち

自社に対しての帰属意識がなくなります。
普段客先に常駐して業務をしているので、用事が無ければ自社に立ち寄る必要が無い状況に100%なります。

ひどい企業だと1年に1回帰るか否か。

基本的にクライアント先と自宅の往復になるので、自分が「どこの会社の人間」なのかわからないといった感情が湧いてきます。
なので、IT業界で人の流動が激しいのは「自社に帰属意識が持てず転職を繰り返す」人がたくさんいるからでしょう。

最後までプロジェクトに関われないことが多い

基本的に技術を提供する事に対価が支払われる為自分の任された業務が終わればクライアントとの契約が終了することがザラです。
自分が携わったプロジェクト、最初から携わったのに最後まで関われないといった事が起きます。
正直やりがいがなくなります。
エンジニアとして最後まで自分の関わったプロジェクトを見届けられない事がストレスになります。

ぶっちゃけ会社を通さなくても”自分でできる”

以前、別の記事にも載せましたが、SESの働き方は自分でできます。
実際に私がフリーランスとして企業と直接お取引できているように、誰でもできます。

基本的に会社に搾取させているので、会社員エンジニアは辞めたほうがいいです。

客先に「時間」「休み」「スキル」全て依存する

正直、配属されたプロジェクトによって全て左右されます。
もちろん「定時で帰れて」「休みも取りやすい」「スキルアップができる」と3つ揃っていることもありますが…
基本的にSESは「プロパー社員で賄えないから外部に委託している」ということを忘れてはいけません。

私の経験上、SESでめちゃくちゃ暇だったという経験はありません!!
基本的に残業は多いし、やることがたくさんあります。

ホワイトなSES企業はあるの?

”ホワイト”の定義が人それぞれで曖昧ですが、福利厚生やユニークな制度を用意している企業はあると思います。
しかし、これまで述べてきたように人がいてナンボのビジネスなので、それら制度が利用できなければ”ホワイト”とは言えないでしょう。

結局、全ては客先に依存するので、客先が忙しかったら有給も取りづらいですし、残業の多さも変わりません。

僕自身が考える”ホワイトなSES企業”の特徴は次のとおりです。

  • 新卒〜30代前半のエンジニアが多い
  • 新卒が辞めていない
  • 1人1人のエンジニアのスキル成長について真剣に向き合っている
  • 案件が多い企業

このような点にしっかり目を向け、エンジニアが不安に思う要素を補っていく制度や体制がある会社に所属すれば、SES事業で働くメリットを最大限に生かしてエンジニアとしての価値を高めていけるのではないかと思います。

終わりに

SESは、あらゆる契約形態が存在するがあまりに、ブラックなイメージが多いです。
しかし、IT業界切ってもきれないビジネスモデルであるため、経験値を高めたいエンジニアにとっては様々な経験が積めるという最大のメリットがある働き方かと思います。

ただ、会社に属さずフリーランスとして企業と一緒に仕事をすることは可能です。
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