1章のお話
大学卒業後、大手SIerに入社した僕。
入社前に抱いていた理想と現実のギャップに絶望してしまった。
自社開発をイメージしていた矢先、別の会社に出向となる…
「なぜ僕はこの会社の人間なのに…別の会社で仕事をするのか。」という気持ちでいっぱいだった。
この現場で僕は、IT業界の諸々を経験するのであった。
ITエンジニア1年目はわりと同じことを思うのではないかと…!ぜひチェックしてください!
フリーランスという働き方を知る
社会人2年目の夏、新しい現場に出向となる。
作業内容はC言語で開発されているアプリケーションをC++にコンバートする案件であった。
プロジェクト人数は5名。
うちの会社から自分を含め2名、他社より2名、1名という感じであった。
開発の指揮をしていたのは四日市という45歳のベテランエンジニアであった。
四日市さんは会社に所属しておらず、個人事業主いわゆるフリーランスで月単価70万で参画されている話を聞いた。
確かに四日市さんは色々詳しくて、依頼側にもかなり信頼されている方でした。
ここで僕は1つの疑問を持つのであった。
同じ作業をしているのにもかかわらず、僕は月に20万くらい・・・
この差はなんだろう。フリーランスってなんだろう。
このようなことを素直に感じた。
会社員の安定って本当に安定なのか?
もちろん会社員として組織に属していれば、年金も厚生年金だし、有給休暇、健康診断、在宅補助などの福利厚生の利用などいい部分もある。
しかし、組織に属しているからといって安定しているかという点においては疑問がのこる。
良く会社員はサボっていても給与もらえるから安定だ!とか怪我とかしても給付金が!という話を聞くがそもそもそのようなお金って利用するか?と僕は思っている。
確かに、保証があるのは安全だ。
保険も同様、入っていれば安心だし、安全だと思うけれど、結局利用できなければ損でしかない。
また、会社の業績が悪ければ給与も下がるしボーナスも支給されなくなる。
それって安定というのかはやはり疑問が残る。
結局、このように感じてしまうのは「日本企業におけるIT業界の平均年収は低いからだ。」
転職サイトを覗いてみてわかるように、似たような給与の会社がほとんどである。
業界平均を飛び抜けて給与を支払っている会社はほとんどない。
昇級もだいたい年間3000円から多くても1万円くらいだろう。
課長や部長のように役職者になれば給与はたかくなる。しかし、時間単価でみると働かざるおえないので一般社員に毛が生えた程度なのである。
また、その地位になるには最低でも入社してから数年、数十年とかかる。
似たような会社が多いということは、同じような所得の世帯が多いということである。
このような面から、僕は正直組織に属すメリットを感じられなかった。
この日から僕の目標は組織に属すのではなく、フリーランスを目指すことに決めたのだ。
続く…