働き方

【SES】なぜ客先常駐の会社は給料が安いのか?IT業界の闇

昨今、IT業界へ転職する方が多く、この4月からIT業界で仕事する!という方も多いのではないでしょうか。
転職サイトの求人を見てみると「未経験可能」「パソコンが使える方であればOK」「幅広い勤務地」「学歴不問」などIT企業で甘い求人文句を出しているところが多いです。

これら企業の9割9分はSESという客先常駐の仕事をメインにしている企業ばかりです。
なぜ、このSESをメインにしている企業は給料が安いということを断言できるかというと、6年間この業界で実態を見てきてたし、自分が下の企業に仕事を流している立場だったからです。

そして現在はこれらIT業界の闇の仕組みをしってしまったのでフリーランスとして自分一人で奮闘しています。
そこで今回は、なぜ客先常駐の会社は給料が安いのかを解説していきます。

IT業界の商流について

皆さんはスーパーで野菜やお肉など書いますよね?
この野菜は直接農家さんで買うのとスーパーで買うのとでは値段が変わるでしょう。農家から降ろし市場に行き、そこでスーパーが仕入れて販売するというのが一般的な流れです。

IT業界も同じようにこの流れが存在します。
IT業界では、システムが必要だ!という企業が有名なSIer企業「N●Tデータ」などに相談します。
この企業を「元請け」と言います。

この元請け企業は、システム開発を代理でやってくれる企業に業務委託します。
この企業を1次受けといい、僕はこのポジションの企業に所属していました。

そこからこの案件を代理でやってくれる開発会社に流すと2次受け、3次受けと段々階層となっているのです。
もちろん、間の企業は紹介料いわゆるマージンを取るため上に行けば行くほど単価は高く、下になればなるほど低くなります。

商流はなぜ必要なのか

では、なぜこれら商流が必要なのか。
別に間に挟まなくてもエンドと直接できればよくない?そして直接やっちゃえばいいじゃん!と思いますよね?

この間の企業を飛ばす行為を商流飛ばしといいます。
この商流飛ばしはIT業界で「タブー言われています。

また、3次、4次という企業は企業の信頼情報からエンドから仕事を発注されない、いわゆる「相手にされない」ということがあるので、どうしてもこのような構造になってしまうのです。

売り上げ幅が変わらない

商流についておおよそのことが理解できたところで、本題です。
なぜ売り上げ幅が変わらないのかというと、月の単価は変わらないからです。

これは現場で仕事をすると契約するときに決まります。
つまり、70万であれば1ヶ月70万で上下はしません。

SESは時間単価なので、契約時間よりオーバーすればプラスででますが、元々の契約時間が1日10時間やらないとオーバしないという数値なのであまり超えることはありません。

企業は利益を上げなければなりません。
利益は売り上げに対し経費を引いたものになります。この経費には人権費も含まれます。

理屈的に考えて、月の売り上げが固定という中で、人件費をあげてしまったらどうでしょうか。

あなたが月単価50万で客先常駐で売り上げを出しているとしましょう。
もしもあなたのお給料を30万円にした場合、残りは20万ですね?しかし、会社は厚生年金や社会保険料、退職金も一部支払いしているので、実質10万くらいでしょう。

高単価の案件を取っている企業であれば希望はありますが、基本的に少ないです。
このように残る利益が少ないため、人件費をなかなかあげることができないのが実態なのです。

ここで、1つ疑問があるでしょう。
え、でも年の昇給は5千とか1万とか上がってるからこのまま行けばいずれは・・・と思っていませんか?

それは大間違いです。

企業には給与テーブルが存在します。
年次や年齢などである程度の給与モデルができています

なぜこのように均衡を保っているのかというと、人件費を固定化させるためです。

若手社員の昇給は多く、年配社員には若手社員の昇給の反動で減給されているのです。

SES以外の収入源がない

googleやMicrosoft、なぜ給料が高いと思いますか?それは、自社サービスで売り上げを出しているからです。
SESはマンパワーの売り上げですが、自社サービスは利用されればされるほど、マンパワー以上のフォーマンスが異なりますし、変な話放置しているだけで会社の売り上げがあがるのです。

固定費が少なくて売り上げが伸びれば必然と利益も上がるので、社員の意欲向上のために人件費をあげようかとなるのです。

最後に

僕はこのIT業界の潜在している闇をどうにか利用できることとして、この下請けと同等のことを個人でできないかと考えた結果、独立という選択肢をとりました。これはベンチャー企業で仕事をして気づいたことです。
自分が企業に属していると給料は制限されるということが分かってしまったので、フリーランスになり、この商流の中に企業と同等の立場を目指しました。

そして、IT企業に就職しようかと悩んでいる方へ!システムエンジニアは専門職です。
スーパーの品出しとか、シール貼りなどのあたまを使わず作業するだけの仕事ではありません

皆さんも家を建てるというときに、何も大工のことを知らない人に相談しませんよね?工務店にいらいするでしょう。
工務店で仕事をしている方は数年勉強しています。

したがって、エンジニアもシステムをつくる以上勉強は必須になります。

もしも甘い誘い文句でIT業界に入社しようと思っているのであれば、その企業についてちゃんと調べるべきです。
例えば、その企業の売り上げを出しているものはなんなのか。資本金は?上場しているのか。主な財源がわからない場合、そこの企業はSESです。

SES企業に入社するとほぼ100%は給料について不満を持つと思います。
僕はSES企業に対して良い思いをしていないので、オススメはしませんがIT問わず入社を考えている企業についてはとことん調べるべきだと思います。