昨今、エンジニア転職をされる方が増えています。
私はこの業界でエンジニアを始めて7年目となり、現在はフリーランスエンジニアとして企業様と一緒に仕事をしていることからこの業界については知っている方だと思っています。
あくまでも私の所感ですが、IT業界においてほとんどがSES・請負派遣です。
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エン・ジャパンやDODA、リクナビなどの転職サイトを覗いてみると、このような募集要項って多いですよね。
他のサービス業と比べてみてもIT業界は比較的給与が高いと思います。
しかし、安易にこれら募集に飛びつくのはちょっとストップしましょう。
この記事では会社員エンジニアからフリーランスエンジニアになった僕が
- なぜこの手の会社への就職はNGなのか
- なぜSESは避けるべきなのか
- もし入社した・している場合はどうすべきか
この3つをテーマにお話します。
会社員時代の話
まず、このテーマに触れる前提として、僕の昔話をさせてください。
新卒で入社した会社(大手SIer)
僕は4年生大学を卒業後に当時は社員数2000名超えの独立系Sierに就職しました。
おそらく業界でちょっとは聞いたことある企業さんだと思います。
就職活動中は企業分析と言うなの「給与が比較的良い」「年間休日が124日以上」「賞与が出る」くらいしか見ていませんでした。
会社説明会で「自社製品でワンタイムパスのプロダクトがある」と言うところに興味を惹かれて、その会社にエントリーしました。
なぜなら、学生時代に暗号セキュリティに関する研究をしていたことから、セキュリティ分野の企業に関心がありました。
ご縁が実り、僕はその会社に入社することができました。
入社して3ヶ月はビジネスマナーからIT基礎について学んだり、C言語のプログラミング研修を受けました。
研修が終わり、配属先が決まる7月。
僕は当時の開発部長から衝撃的な一言を聞きます。
「君は明日から○○会社で作業をしなさい。」
正直、「自社パッケージのセキュリティソフト開発ができる!」と言う思いが強かったので、かなり萎えました。
入社してから聞いた話ですが、自社製品の開発は全てが外注で営業のみ自社で行なっているとのことでした。
会社務めで得た経験とスキル
「新卒で入社した会社」と「ベンチャー企業」この2つの会社で経験したシステム開発は表の通りです。
案件 |
|
---|---|
言語 | C、C++、C#、VB.net、VBA、VB6 |
データベース | SQLServer、Oracle、MySQL |
たくさんの開発現場を通していろんなプロダクトを経験しました。
言語やフレームワーク、データベースについても経験としてあります。
しかし、これら経験が詰めるのは全て”現場”次第なのです。
ここがSESの怖いところになります。現場で教育してもらえるところもあれば全くない、サポートしてくれないところもあります。
特に僕がベンチャー企業に入社してからSESで携わった「健康保険組合向け基幹システム開発・保守」についてはサポートも引継ぎも一切なしでした。
初日から「これやって!」と言う無茶振りがありました。
元々プログラミングについては自己でアプリケーション開発やホームページ作成などやっていたので、そこらへんは問題ありませんでした。
ここで僕が言いたいこととしては「SESの会社で”プログラミング”を勉強していない」と言うことです。
上記の表の通り、いろんな現場でいろんな言語を触ることがあります。
しかし、その現場のみ使えるスキルになりがちなのです。
例えば、あなたがポケモンのゲーム開発で「レベルアップの効果を流すプログラム」を担当したとします。
「どんな音を流すか」「タイミングはどうするのか」など覚えていきます。
SES契約なので期限があり、「明日からユニクロの会計システム開発をしてください!」と言われた時、前回やっていた「ポケモンの開発」でやったことが活かせられませんよね?
このように”その現場のみに通用するスキル”になりがちなのです。
僕の所感ですが、もちろんIT企業の全てではないです。
しかし、「請負」「準委任(SES)」「派遣」といった契約形態が多いのではないでしょうか。
SESとは?
システムエンジニアリングサービス (SES)とは「何らかの成果物に対する報酬ではなく)技術力や労働力を売ります」という契約のことです。
具体的に説明すると製造工程やテスト工程、ドキュメント作成など依頼元が「やる必要なし」と判断した単純作業を外部に外注することです。
もう少し掘り下げて次のようなシステム開発の流れを例とします。
これらの工程の中でシステム企画や業務要件定義、受け入れテストはプロジェクトのゴールを決めるため肝となります。
これら重要なところは依頼元(ユーザ)が実施し、残りの工程は全て開発ベンダ(外部)に発注します。世の中の大手企業始め、その殆どは請負やSESで業務委託しています。
なぜこの手の会社への就職はNGなのか
なぜSES事業をメインとしている企業への就職がよろしくないかと言うと「スキルが身につかない」という理由があります。
スキルが身につかない
基本的にSESにおいての業務経歴は”案件”に依存します。
プログラミングを経験したくても、相応の案件がなければ経験することができません。
また新卒枠ならともかく、転職してある程度の年齢の場合「できて当たり前」という前提でプロジェクト参画させられるので「未経験」はあまり採用されません。
したがって自分の経験したこと「できること」をお願いされるのです。
しかし、大手SIerなどの案件が多い企業では、上司や営業に相談することで自身が経験したいものを選択できるかもしれません。
逆に案件が少ない企業だと案件の選択は非常に難しいです。
これはベンチャー企業に所属してかなり痛感しました。
元々Webのフロントエンドがやりたくて入社したのに、やっていることはクライアントサーバーシステムの開発でしたし…基本的には会社の案件次第でした。
SESで仕事をしていると案件によって作業内容は変わりますが、長期案件の場合は作業内容に変化がありません。
またユーザが工場の場合、独自の開発言語や仕様でシステム開発をすることになります。
プログラミングがやりたいと思っていても案件がなければできませんし、業務経歴は案件に依存します。
逆に捉えれば、案件によっては様々な言語や開発を経験することができます。
もしもあなたが転職を考える場合に現場依存のスキルだけだとキャリア形成が難しくなります。
僕は元々「フリーランス」という働き方に興味を持っていたことと、「このようなSES案件は自分でもできるんじゃないか?」という思いがありました。
しかし、新卒で入社した会社ではもちろん会社の信用で現場に参画していたこともあり、正直独立は怖いところもありました。
そこで独立の選択肢は怖くて取れず、ベンチャー企業に入社したわけです。
ベンチャー企業から独立へ
僕はどうしても心のどこかでSES事業に嫌悪感がありました。
このベンチャー企業はでき手間もなくていわゆるスタートアップ企業でしたのでいろんなものが見ることができました。
グループ会社の作り方、会社の運営、SES営業についてなどなど経営についても少々見ることができました。
主任というポジションで仕事をしていたので、新しい人をどの現場に誰を入れるか、プロジェクト状況は問題ないかなど会議で話し合います。
これがどうしても「奴隷と商人」のように見えてしまって嫌悪感がありました。
僕の場合、会社ができてまもなかったので希望のWebフロントエンド開発はできず、経験が長いC#を使った案件しかできませんでした。
正直メリットは「家から近い現場」という以外何もありませんでした。
今の現場で作業も全くレクチャーがなく、それなりに有識者として作業できるようになったので「これは1人でいける」という思いが強くなり”独立”を決意しました。
今は今後やりたいことのためにSES事業を通して資金集めをしようと決めました。
もし入社した・している場合はどうすべきか
もちろん企業によって良し悪しは必ずあります!
ただ僕は今の現状に満足できない「スキルをつけて大手企業の正社員になるぞ」や「フリーランスになるぞ」という思いがある方は絶対チャレンジした方がいいです。
失敗してもまた会社員に戻ればいいのです。
IT業界は入れ替わり立ち替わりが激しいので、再就職は絶対にできます。
今の現場に満足している方は、それはそれで正解だと思います。
最後に、「未経験でもOK」「文系大歓迎!」「OJTが充実」「将来フリーランス」という甘い文句があると惹かれてしまいがちです。
会社の大小問わず、IT企業の殆どがSES事業です。
SES事業について僕自身は「この会社じゃなくてもできるよな」という気持ちが消えず、自社の上司に対しても「なんで普段別の現場なのに、僕のことを評価できるの?」とあまりモチベーションが維持できませんでした。
もしも、「フリーランスになる!」とか「転職する!」という方はその熱が消えないうちに、早く一歩踏み出してみてください。
自分自身を見つめ直して今後の長い人生を考えるきっかけになれたら嬉しいです。